ケイト様が指揮者を演じるというこの作品を、何か月も前から待っていたよ。
ほぼ白紙の状態で、映画の情報を入れないようにして観に行った。
中高年多めで座席結構埋まっていた。
バーンスタインのマーラー5番が出てきて、ずっとニヤニヤしてた。
あ、私はマーラーは9番派だけど。
前半から中盤にかけては、クラシック音楽とユダヤ人の関係(クレズマーとパールマンの話)や、フェルトベングラーとナチスの話が出てきたりと、クラシック好きには、なかなか興味深い時間が続いた。
セクハラ問題のところでは、シャルル・デュトワも、当時はこんな状況だったのかな、などと思い出しながら観ていた。
それにしても、バッハのくだりでの、貧乏ゆすりの彼には、個人的に、ちょっと驚いた。
彼のような考え(マイノリティー/ジェンダー)で、クラシック音楽(作曲家とその作品)を選別して、棒を振らない/演奏拒否する音楽家(の卵)がいるのだと。
違和感を感じた。
途中、中だるみしそうになるかと思われた矢先、ドカーーンと事件一発!!
一気にケイト様が形勢不利に。
でも、指揮者なら、ああなるのでは・・・と、同情。
あのケイト様は「あっぱれ!」であった。
で、最後は、「そうなるの~!?」な「オチ」に呆気にとられるという、そんな映画。
ケイト・ブランシェットの主演女優賞大納得。
新進の女性ソリスト役は本物のチェリストで、エルガーのチェロ協奏曲の音色がとても艶やかで良かった。(デュプレが弾くエルガーのことも出てきた)
日曜夜に放送されるクラシック音楽番組で、最初に、指揮者が作品解説をするが、どの指揮者も、作曲家と作品に対して、とめどなく喋る喋るあの感じ・・・。
それをケイト様が、よーーーく捉えて演じてらっしゃって凄かった。
中盤の一件まで、もう一度、鑑賞したいくらい。