続☆メンデルスゾーンのはなうた

ヴァイオリンや水泳、その他諸々・・・

30年ぶりに映画館で再び観た《さらば、わが愛 覇王別姫》

日本での公開は1994年。当時、まだ新しかった渋谷Bunkamuraに、夫と観に行った。夫は文化大革命あたりの中国現代史に詳しかったが、私は大学受験で苦手の中国史(世界史選択)ということもあり、ストーリーと時代背景を追うのに、いっぱいいっぱいだった。

 

去年、地元のレンタル店で見つけて懐かしく思い、DVDを借りてじっくり再鑑。忘れているシーン多々あり、おお、そうだった、こういう内容だった!と改めて感動。

 

そして、7月末に、UPLINK吉祥寺で4K上映すると知り、もう一度、映画館でこの作品を味わいたく、足を運んだ。この作品には、何度も観たくなる魅力と吸引力がある。この30年の間に、私自身も様々な経験、体験をしたためか、20代半ばで観た時よりも、心のひだに、グググっと、長く染み入るような余韻を感じている。

 

私はレスリー・チャンのファンではないが、(トニー・レオンチャン・チェンが好き)やはり、この作品のレスリーは格別に美しいと、今日、映画館の大きな画面で彼を観て、心の底から惚れ惚れとした。その佇まいと心情変化、目つきも、仕草の一つ一つが「なよやか」で美しい。

 

役者陣が、これまた、いい。チャン・フォンイー(←レッド・クリフの曹操ね)、コン・リー、グオ・ヨウ、子役の演技も素晴らしい。レスリー・チャンの子役の演技と風貌は、見事にレスリーに繋がっていく。そして、裏切られた時のコン・リーの表情が、本当に凄い。

 

中国激動の50年間に、京劇と主演三人の、それはそれは、こってりと濃くて深い愛憎劇を絡めた、チェン・カイコーの大傑作。(近年のチェン・カイコーは、戦争映画ばっかだが、この作品で当局に睨まれたのだろうか?)

 

地元のレンタルが近く閉店セールを行うので、早めに行って、この作品を買い取ろうと目論んでいる。ウォン・カーウアイの《花様年華》と共に、大切に手元に取っておきたい。


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